へバーデン結節、ブシャール結節

第一関節の変形・腫れ・屈曲などを起こす「ヘバーデン結節」とは

第一関節の変形・腫れ・屈曲などを起こす「ヘバーデン結節」とはヘバーデン結節とは、軟骨のすり減りによって、指の第一関節の変形・腫れ・屈曲などが生じる病気です。そのほか、痛み、水ぶくれのようなふくらみ(粘液嚢腫)が生じることもあります。すべての指に起こりうる病気ですが、他の指と比べると親指での発症頻度は低くなります。
特に40歳以上の女性に起こりやすい傾向があります。

ヘバーデン結節の原因となりやすい人

ヘバーデン結節の原因となりやすい人ヘバーデン結節の原因については、はっきりしたことが分かっていません。
しかし、40歳以上の女性、手を酷使する人は、そうでない人と比べてやや発症リスクが高いようです。

水ぶくれができることも?初期症状からの進行と速度

  • 手指の第一関節の変形、腫れ、屈曲
  • 第一関節の痛み、粘液嚢腫
  • 関節のこわばり

主に、上記のような症状が見られます。

放っておくとどうなる?自然治癒はあるのか

ヘバーデン結節の症状は数年~10年ほどの期間をかけて進行します。痛みがでたり、次第に変形が進み、屈曲した状態で固まります。
自然経過では改善はせず、徐々に進行していく疾患です。痛みや変形があれば、自己診断をするのではなく、医療機関で診断を受けるようにしましょう。

ヘバーデン結節の検査・診断

ヘバーデン結節の検査・診断問診、触診の上、レントゲン検査を行い、診断します。
レントゲン検査により、リウマチなどの似た症状を持つ疾患との鑑別ができます。

ヘバーデン結節の治療法

保存療法

テーピングで安静を保ちながら、薬物療法を行います。
急性期で症状が強く出ている場合には、ステロイドの関節内注射も有効です。

やってはいけないこと

他の整形外科疾患にも言えることですが、痛みが出ているあいだは基本的に安静が必要になります。無理をして動かしたり、力を入れたりといったことは避けてください。
症状を強くしたり、進行を早くしたりといった悪影響が懸念されます。

動注治療(動脈注射治療)

炎症により異常な新生血管が生じている場合には、動注治療を行います。
動脈に細い針を刺して、そこから新生血管に蓋をして(塞栓)、炎症・痛みの軽減を図ります。

詳しくはこちら

手術療法

関節固定術

痛みの原因となっている関節を固定する手術です。これにより、痛みはほぼ確実になくなります。
第二関節、指の付け根の関節は正常に動くため、慣れれば日常生活にも問題ありません。

人工指関節置換術

関節の骨・軟骨を取り除き、金属などでできた人工関節に置き換える手術です。膝や股関節などに行われる術式としてもよく知られています。高い除痛効果が期待できます。
ただし、近年では固定術の結果が良好であるため、人工関節置換術はあまり積極的に行われていません。

手術のデメリットとしては、小さな角度が動きが無くなるため、細かい作業ができなくなる点が挙げられます。

第二関節の変形・腫れ・屈曲などを起こす「ブシャール結節」とは

第二関節の変形・腫れ・屈曲などを起こす「ブシャール結節」とはブシャール結節とは、指の第二関節の軟骨の摩耗によって関節の変形・腫れ・屈曲などが起こる病気です。これに加え、痛みが出ることもあります。
第一関節でほぼ同じような症状が見られるヘバーデン結節とともに、指の変形性関節症の1つに数えられます。

出産や腎臓も関係がある?ブシャール結節の原因

ブシャール結節のはっきりとした原因については、未だはっきりとしたことが分かっていません。
しかし、指の酷使や遺伝、加齢、更年期・妊娠・出産に伴うホルモンバランスの変化が発症に影響しているのではないかと言われています。

ブシャール結節の症状と放置するリスク

ブシャール結節の症状と放置するリスク

  • 手指の第二関節の変形、腫れ、屈曲
  • 第二関節の痛み、粘液嚢腫
  • 関節のこわばり

主に、上記のような症状が見られます。放置していると、ペン・箸を正しく使えない、タオルを絞れないといったように、日常生活中の動作に支障をきたすようになります。

ブシャール結節の検査・診断

問診、触診の上、レントゲン検査などを行い、診断します。
レントゲン検査では、似た症状を持つリウマチとの鑑別が可能です。そのほか、血液検査を行うこともあります。

リウマチとの違いは?

関節リウマチでは、免疫異常によって手や足の関節で炎症および痛み・腫れをきたします。手指の第二関節で発症することも多く、ブシャール結節やヘバーデン結節といった指の変形性関節症よく似た症状を持ちます。
関節リウマチと指の変形性関節症は、問診やレントゲン検査による鑑別が可能です。また後者では、血液検査によるリウマチ因子や炎症反応も認められません。

関節リウマチについて詳しくはこちら

ブシャール結節の治療法

保存療法

テーピング等によって患部を安静に保ちます。
加えて、軟膏や消炎鎮痛剤の内服・外用、温熱療法などを行います。

動注治療(動脈注射治療)

炎症により異常な新生血管が生じている場合には、動注治療を行います。
動脈に細い針を刺して、そこから新生血管に蓋をして(塞栓)、炎症・痛みの軽減を図ります。

詳しくはこちら

手術療法

ここまでの治療で十分な効果が得られない場合には、手術を検討します。
人工関節置換術、関節固定術、屈筋腱部分切除術といった術式があります。
デメリットとしては、伸びの動きが効きにくくなる点や、見た目はあまり変わらないといった点があります。

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